「あとこれも」が積み上がって、終わりが遠のく…を止める
要望が増えるのは普通です。問題は、増えたものをそのまま上に積むと、期限も品質もチームの気力も一緒に崩れやすいこと。
ここで必要なのは根性じゃなく、追加を受ける基準と入れ替えのルールです。これがあるだけで、揉め方が変わります。
スコープ追加を受ける基準(結論)
結論:受けるのは「止まる・損する・戻れない」系だけ
追加要望を受けるかどうかは、次の3基準で分けると迷いが減ります。
① 止まる:この追加がないと、進行が止まる/提出できない
② 損する:やらないと損失が出る(手戻り、クレーム、契約条件)
③ 戻れない:あとから直すとコストが跳ねる(基盤、設計、仕様の根っこ)
逆に「あると嬉しい」「より良くなる」は、次の版(次フェーズ)に分けたほうが安全です。
| 追加要望のタイプ |
今入れる? |
判断の目安 |
| 提出に必要な条件(仕様/要件) |
入れる |
無いと終わらない/受け取ってもらえない |
| 事故回避(法務/セキュリティ/品質) |
入れる |
後から直すと信用とコストが大きい |
| 便利機能・見た目の改善 |
分ける |
無くても動く/後から追加できる |
| 思いつき・気分の変更 |
分ける |
理由が薄い/効果が説明できない |
ポイント
受ける・受けないの前に、「これは今必要?それとも次でいい?」を分類するだけで揉めにくくなります。
追加するなら「入れ替え」で扱う
追加は“無料”に見えるのがいちばん危ない
追加を入れるなら、必ずセットで決めます。
・代わりに何を外すか(スコープの入れ替え)
・期限を延ばすか、人数を増やすか、品質の幅を変えるか
「入れ替え」がない追加は、遅れの原因が見えないまま積み上がります。
| 入れ替えの選択肢 |
何が変わる |
向いている場面 |
| A:別機能を外す |
範囲は維持、内容が入れ替わる |
期限を守りたい |
| B:期限を延ばす |
内容は増えるが納期が動く |
品質を落としたくない |
| C:人を増やす/外注 |
コスト増、期限維持しやすい |
予算が出る/急ぐ |
迷ったらこの一言
「入れるのは可能です。代わりにどれを外すか、もしくは期限をどうするか、どちらで決めますか?」
角が立ちにくい言い方テンプレ
今入れない(次に回す)
「良い案です。今の期限を守るなら、これは次の版で入れたほうが安全です。次の版の候補に入れておきますね。」
入れる(ただし入れ替え)
「入れられます。代わりに、今入っているAかBを外すと期限が守れます。どちらを残しますか?」
判断材料が足りない(保留)
「効果を見積もるために、目的と完了の形だけ確認したいです。そこが揃ったら、今入れるか次に回すか決めますね。」
合意の残し方(最低限の記録)
| 残す項目 |
1行例 |
| 追加する内容 |
「要望Xを今回入れる」 |
| 外す内容/変更点 |
「代わりに機能Aは次版へ」 |
| 期限/担当 |
「期限は◯日、担当は◯◯」 |
ポイント
文章は短くて大丈夫です。「追加・入れ替え・期限」の3点が残っていれば、あとで揉めにくいです。
質問と回答
相手が「全部入れて」と言ってきたら?
「全部入れるなら、期限か予算を動かす必要があります」の形で、選択肢にします。入れ替えか期限変更か、どちらで決めるかに持っていくと話が前に進みます。
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