同時進行を絞る|“着手過多”を止める上限設計

同時進行を絞る|“着手過多”を止める上限設計

仕事が終わらない最大の原因は、能力不足より「着手過多」です。同時進行(WIP)が増えるほど、切り替えコストと確認待ちが増え、完了が遠のきます。上限の決め方、例外処理、終わらせる順番(完了→確認待ち→新規着手)で、増えても回る運用に整える方法を解説します。

同時進行を絞る|“着手過多”を止める上限設計

「忙しいのに、終わらない」

この状態の多くは、仕事量より同時進行(着手)が原因です。

AIで試作や修正が速くなるほど、着手は増えやすく、結果として完了が遠のきます。

このページでは、着手過多を止める上限設計(WIP制限)を、運用として回る形に整理します。

結論:上限を決めると“完了が先に来る”ようになる

同時進行が増えると、完了は遅くなります。

理由はシンプルで、切り替えコストと確認待ちが増えるからです。

WIP制限の効果

  • 優先順位が固定され、迷いが減る
  • 作業中が増えず、完了が増える
  • 確認待ちが埋もれにくくなる
  • 割り込みが来ても、処理順が崩れない

ポイント

上限は“縛り”ではなく、完了を増やすための仕組みです。完了が増えると、結果的に自由度が上がります。

なぜ着手が増えるのか:AI時代の“始めやすさ”が原因

AIで最初の一歩が軽くなると、次が起きます。

  • 試作が増える(案A/B/Cが簡単に出る)
  • 修正が増える(直せるから直す)
  • 派生が増える(改善案が増殖する)

始めるのは簡単ですが、終わらせるには運用が必要です。

上限の決め方:個人は「作業中3」、チームは「2〜3」が基本

上限は現実的に守れる数にします。

目安は次の通りです。

上限の目安

  • 個人:作業中(進行中)は最大3つ
  • チーム:1人あたり作業中は2〜3つ
  • 確認待ちは作業中に数えない(別枠で管理する)

ポイント

上限の数は“理想”ではなく“守れるか”で決めます。守れない上限は機能しません。

上限が機能しない理由:確認待ちが作業中に混ざっている

作業中が増える現場は、確認待ちが混ざっています。

確認待ちが混ざると、止まりが見えず、別の作業に着手して上限が破綻します。

基本ルール

  • 確認待ちは別枠へ
  • 確認待ちは「誰待ち・期限・次の一手」をセットにする
  • 作業中は“自分が今動かしているもの”だけにする

運用の順番:新規着手より「完了」を先にする

上限を守るためには、処理の優先順位を固定します。

迷わない優先順位

  1. 完了:終われるものを先に終わらせる
  2. 確認待ちを進める:返答が来たものを処理して止まりを解消する
  3. 新規着手:上限に余白があるときだけ始める

ポイント

新規着手は気持ちよく始められますが、完了が増えない限り、未来が苦しくなります。順番を固定するとブレません。

割り込み対応:例外は“上限を壊さず”に入れる

上限があると、割り込みが来たときに困ると思われがちです。

実際は、割り込みの扱いを決めれば回ります。

割り込みの型

  • まず受け皿へ入れる(即着手しない)
  • 緊急度が高いなら、既存の作業中を1つ止めて入れ替える
  • 止めた作業は「次の一手」を書いて保留にする(再開できる状態)

コピペ用:WIP上限ルール(個人/チーム)

WIP(作業中)の上限:最大( )件

確認待ちは別枠(誰待ち・期限・次の一手)

優先順位:完了 → 確認待ち解消 → 新規着手

割り込み:緊急なら作業中を1つ止めて入れ替える

よくある失敗と直し方

失敗 起きること 直し方
上限を決めない 着手だけ増える 作業中の上限を数で固定する
確認待ちが混ざる 止まりが見えず上限が破綻 確認待ちは別枠で管理する
割り込みで崩れる 全部が中途半端になる 入れ替えルールで上限を守る

まとめ

終わらない原因の多くは着手過多です。同時進行(WIP)に上限を作ると、優先が固定され、完了が増え、確認待ちが埋もれにくくなります。確認待ちは別枠で管理し、処理順は「完了→確認待ち解消→新規着手」。割り込みは入れ替えルールで上限を壊さずに扱う。これで“速いのに終わらない”を止められます。